理系大学生の雑駁

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「科学の発見」 著:スティーヴン・ワインバーグ を読んだ

 「科学の発見」という本を読んだ。

 

 本書の中心のテーマは、世界の探求の方法を人類がどうやって習得していったか、みたいな感じで、古代ギリシャからニュートンまでの科学史が、現代科学者の観点から書かれている。いろいろな理論が紹介されるわけだけど、数式なしで比較的わかりやすく説明されている。僕みたいな理系人間は、巻末に数式と図でさらに詳しく説明されているので、そっち見たほうがわかりやすいかもしれない。

 

 例えば、古代ギリシャの物理学に対して著者は 

特質すべきなのは、パルメニデスやゼノンの論法が誤っている点ではなくむしろ、「運動が不可能であるなら、なぜ物体は動いているように見えるのか」を彼らが説明しようとしていない点である。(中略)かつて様々な時代において、円軌道は楕円軌道よりも完璧だ、金は鉛よりも高貴な金属だ、人類は類人猿よりも高等だ、などという考え方がずっと存在してきたのである。(26頁、3行目)

 と述べている。そのような時代から、どうやって人類は現代のように発展してきたのかが、本書を通してわかるだろう。

 

 本書の特徴として、著者は過去の科学者をディスりまくっていることだ。もちろん、むやみやたらに批判しているわけではない。その批判の矛先は、先人たちの理論に対する誤りではなく、現代科学の手法とは相容れない、彼らの科学に対する姿勢に対してだ。そして、そのような批判は、「科学とは何か」ということを考えさせるだろう。

 

 とても面白かったし、読みごたえがあった。

 

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 初回ということで少し力を入れすぎてしまったかもしれない。次はもっと適当に書く。